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Lebanon Wine

「謎の海洋民族フェニキア人が地中海貿易を興し、海洋国家カルタゴが栄えた」

「痩せて荒れた崖地をフェニキア人は葡萄の樹を担いで植えた」

「葡萄酒で満たされたアンフォラ(壺)を船底に摘み、地中海を駆け巡った」

「フェニキア人は時を経るごとに深みを増す葡萄酒を貨幣、投機の対象とした」

“レバノンまで足を運ぶのには、これだけの話で十分だった。”

ワインの銘醸地として知られたレバノン。かつてレバント人がワインを商いの糧として活躍した地だ。

15年にも及ぶ内戦で中東随一の金融都市ベイルートは焦土と化し、崩れかけた建物は弾痕で埋め尽くされていた。

生々しい傷跡を残すこの地にかつての住民は戻ってきていない。地中海を望む美しいはずの古都はまばらな人影に傷だらけの歴史的建造物が際立ち、やけに虚しく映る。

そのベイルートから車を走らせること2時間。シリア国境の山並みが遠く見渡せる急峻な丘陵地は赤い、火山性の軽石に覆われていた。

ここに砲弾飛び交う戦火のなか自らのアイデンティティとしてワイン造りを諦めなかった人がいる。

この山間の町の市長で廃校を利用してワイナリーを創り、2008年以来ヨーロッパの権威あるワインコンテストで金賞か銀賞を受賞し続け、2019年には世界のヴィンヤード49位に選出された。

濃厚にして芳醇、果実味溢れる極上のワインがそこにはある。

ひとたび外に出れば次々と呼び止められ、この街での人気がうかがえる。一言で言えば「人懐っこい熱いオジサン」なのだが、人情味あふれるその人となりは、ワインを出荷する際に「My Baby」と一本一本抱きしめたり、居るだけで辺りが笑いに包まれるその様子によく現れている。

こういう御仁が造るワインは、大体うまい。

If you walk around the world,
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