FAR EAST BAKERY 大山・長嶺

Q. 此処で働く面白さとは?

A. 大山さん: 貿易会社だからこそ手に入る世界中の食材

『世界中で多様な形で愛されるパンの文化の起源と歴史を表現することが、FAR EAST BAKERYのコンセプトです。そのために、パンや小麦の焼き菓子の発祥地とも謂われるメソポタミアにも所縁がある古代小麦や、トルコのオーガニック小麦、椰子の木から採れる花蜜、そしてアラビアの様々なスパイスなど、世界中から集めた食材を使って商品開発をしています。これだけの食材を使えるのはそれだけで楽しいですね。貿易会社の強みだと思います。

特にスパイスに関しては、デュカやザータル、カロンジなど、パン・焼き菓子造りには珍しいものを使うのもFAR EAST BAKERYらしい特徴的ではないでしょうか。現地の食文化が垣間見えるような香りや味を表現するのは初めての連続で面白いですよ。』

A. 長嶺さん: 上質な素材を活かしたパンを追求することの面白さ

『私は前職から含めて15年もの間パン造りに携わっていましたが、FAR EAST BAKERYならではの面白さというのは、まず何と言っても揃っている素材の良さですね。オーガニックのドライフルーツ・ナッツなどをはじめ、希少で原価も高い古代小麦を100%使ったパンを造らせてくれる所なんてなかなか無いと思います。更には上白糖を一切使用せず、使うのは花蜜糖。塩までこだわって世界中の天然塩を使い分けています。 普通であれば商品開発の現場というのは、いかに原価を下げられるかという点を第一に求められることが多いですが、それよりも素材の良さをどう活かしたパンを造るかということに集中出来るのは職人として遣り甲斐が大きいですね。あとは実店舗としてレストランがあることで、デリカテッセンのパンに使うフィリングにシェフが作った本格的な料理の数々を使えるのも贅沢な環境だと思います。』

Q. 商品造りにおいて大切にしていることは?

A. 大山さん: 余計なものは使わずに、良いものは良いものとして提供したい

『無駄を削ぎ落とした商品造りです。これだけ良い食材で商品を造るからには、白砂糖やゼラチン、添加物など、使わなくて良いものはなるべく使わずに造るようにしています。本来であれば添加物というのは品質や形状を安定させるために使うものなので、それを省いて造るということは簡単なことではありません。何度も配合を変え、様々な食材で試し、試作を重ねています。 また、実際に販売してみて店舗で感じた点やお客様の感想はすぐに改善に繋げるようにしています。良い商品造りのために忖度の無い意見を言いやすい環境にしたいですね。私は焼き菓子の製造を担当していますが、まだ日本市場には出回っていないワクワクするような世界の焼き菓子のラインナップをこれからもっと増やすことが目標です。』

長嶺さん: どこまでもシンプルに表現することを突き詰める

『あれこれと色々使って小手先で誤魔化すのではなく、シンプルに美味しさを惹きだすことをいつも考えています。先程言ったように此処には選りすぐりの上質な素材が揃っています。それを一番魅力的な形で活かしたいんです。 パン造りに使われる粉は、大体が製パン用に美味しく焼けるように予めミックスして作られているのが一般的です。ところがFAR EAST BAKERYが造る食パンは古代小麦が100%。実は古代小麦の特性を上手く活かして美味しく焼き上げるのはとても難しい挑戦でした。それでも小麦の起源を辿って、麦本来の重厚感や素朴ながらも噛むほどに味わえる旨味を惹きだすように工夫を重ねました。 CARVAANのシェフが手懸けるフィリングのエキゾチックな旨味を一番良い形で惹き立てるために、粉やスパイスの種類、配合を変えた生地を何パターンも焼いて食感や香りを調整し、あくる日も試作会を重ねて、ようやく皆の満足のいくものが完成した時は嬉しかったですね。』

取材:野中愛子・阿部香澄
筆:阿部香澄