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塩 / SALT

古来、塩の交易路は人と人、物と物、文化と文化を繋いできました。人は生きる為に塩を作り、命がけで運んできました。山を越え、川や海を渡り、幾日も幾日もかけて大切な塩を運んできたのです。塩の交易で国が栄えたり、塩を運ぶ者が勇者と讃えられる時代もありました。生きるものにとって塩は空気や水のようになくてはならないものであり、貴重なものとされてきたのです。世界には、様々な塩があり、それは太古の海が自然に干上がった岩塩であったり、海水をその土地独自の方法で干上がらせた海塩であったり、塩湖から自然に結晶する湖塩であったりします。このワールドソルトセレクションに世界各地から集められ、こうして一堂に会した面々はどれも個性的で魅力的です。 味はもとよりそれぞれの塩の背景にある自然や人々、文化、歴史、ストーリーに想いを馳せてそれぞれにお楽しみください。

アッサルの塩 From Djibouti

アッサルへ行く東アフリカの紅海沿いに位置する小さな国ジブティ共和国。「猿の惑星」のロケ地といえば想像しやすいだろうか。国土の大半が土の沙漠で荒涼としている。世界で最も暑い場所とも謂われ、非公式ながら70度を超えたこともあるという。あまりの厚さに地表面の岩が割れるほどだ。この国には季節が夏と真夏しかないらしく、運よく涼しいはずの夏に行くことが出来た。首都ジブティを出て海に沿うように西へ。向かうは世界最高濃度の塩湖「LAKE ASSAL」。
レイクアッサル道すがら岩を積んだ跡が点々とあるのを目にする。遊牧民の住まいのようだ。真っ蒼なタジョーラ湾に浮かぶ火山島を右に過ごし、程なくすると同行の1人が「Caravan!」と叫んだ。見るとラクダの隊商が正面から向かってくる。2,000年来続く「伝統の道」を往くキャメル・キャラヴァンは勇壮な姿を見せながら我々の呼び止めに応じて止まってくれ、別に愛想もなにもないが、それが精一杯のサービスのように見受けられた。
温泉日本人など滅多に見ないのだろう。それから少し行くとまた同行の一人が「Hot Spring!」と叫ぶ。本当に温泉だ。しかもかなり熱い。辺り一面沙漠というさすがに温泉天国日本でも見られないロケーションだ。「誰も開発するなよ」と思いながらそこを後にする。
工場程なく塩の選別工場に着くやいなや30人ほどの労働者諸君に囲まれる。なにやら大声で訴えている。同行の1人はここの社長。彼に訴えているようだ。どうやら工場の水がでないらしい。報道陣に囲まれる車ってこういうもんかなと思いながらそこも難なく過ぎる。
エメラルド色のアッサルやがて眼下には沙漠にはめ込んだエメラルドのように蒼く、美しいアッサル湖が姿を現す。息を呑むほどに美しい。干潟は一面真っ白な塩。砂でも土でも岩でもない塩だ。しかも玉状の。ここでは自然の力のみで丸い玉状の塩が結晶する。11月頃から次第に大きくなり、5月頃に10mmを超えるほどになりそれからまた次第に小さくなっていき、また翌年の11月から大きくなり始める。これを延々と繰り返すのである。
レイクアッサル車を降りて塩浜に降り立つとそこには轟々という風の音と打ち寄せる波の音しか聞こえず、生き物の気配はまるでない。岸には風に吹きつけられた塩塊がツララを垂らし、豪快に佇んでいる。奇声をあげながら湖に飛び込むと体がプカリと浮かぶ。どういう格好でもおもしろいように浮かぶのである。塩浜では塩に埋まってデトックス。暫くの間みんな塩まみれになりながら子供のように遊んだ。

プカプカ浮かびます

プカプカ浮く浮く・・・

塩のオブジェ

塩のオブジェ

波打ち際で自然に出来た塩の結晶

波打ち際で自然に出来た塩の結晶

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