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開墾!田畑を清浄に保つことは、日本の文化 FAR EAST Inc. Blog

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FAR EASTの田辺です。

今日は日本の自然農法について文化をテーマに寄稿します。

自然栽培や自然農法、自然農、有機農業の本来の理念にみられるように、それぞれに哲学をもち、自然の力を尊び、肥料や農薬に頼らない農業が、日本に乱立している。まったくもって世界的にみても、稀有なことだといえる。これは誇りに思うべきことだし、日本の文化に深く根差したことだと考える。

自然栽培、自然農法、自然農をはじめとして、自然とともに生きる農業は、「日本の文化」なのだ。

なぜなら、こうした農法が出現する土俵が日本にはある。

田畑はそもそも清浄な場所だった。いなかでは毎年正月に、田畑から神様を家にまでお招きする行事があった。そこには、まぎれもなくかみさまがいたのだ。

弥生時代以前には、田畑は生きる糧をいただく神聖な場所で田畑を糞尿で汚すことは忌み嫌われていたという。日本人は、神社にいけば、手を洗う。場を塩で清める。そして何よりお風呂の好きな国民性だ。清潔を志向する背景には、罪穢れを払うことにつながるさまざまな風習、文化がある。

そして、大自然のどんな場所にも神様、精霊がいると考えて尊んだ。太陽をみれば、かしわ手をうち、おてんとさまと親しんだ。日本の親たちは子どもを躾けるときに、「おてんとさまがみてるよ!」と叱ることがあった。それほど、太陽を大切に思い、その力によって生かされているという感覚がリアルなものだった。太陽は我々の命を左右する存在であることが明白な時代だったのだろう。

そして月をみれば、その美しさをめでた。おつきさまと親しみ、月のみちかけに事細かく名前がつくほどに、月を愛した。月と潮の満ち引きや、生命の誕生が密接に結びついていることを私たちの祖先は知っていた。

あめつちをかためてつくられた大地、地球。たとえば古事記にはイザナギ、イザナミが土からカミ生み、クニ生したと語られている。古来から土は生命の源、いのちの生まれいづる場所だった。お天道様、お月様、母なる大地(あめつち)の交わる調和の中で、生命が生かされている実感をかつての人はもっていたのだろう。

「トイレの神様」という歌が流行ったが、穢れやすいトイレのような場所をきれいに保とうとする行動、習慣がわれわれの感情を打つのは、場を清浄に保つことが日本人のDNAに深く刻まれているからだと思う。

現代の日本人の中にも、こうした場を清浄に保とうとする感性は、自ずと備わっている。田畑においては、言わずもがなだった。だからこそ、肥料や農薬を使わない自然農、自然農法、自然栽培が雨後の竹の子のように様々な場所で輩出される。当然、さまざまな提唱者・実践者がいる。これは、われわれ日本人にとっては、ごくごく当たり前の感性であり、清浄な土を失って久しい我々が、無意識のうちに、その原点を取り戻そうとしているかのようだ。

なにも使わないから自然そのものの力が発揮される。無から有を生むという、なんとも魅惑的な農業。見えないコトワリに対する興味、自然界のしくみを解き明かすかのような挑戦だ。

一から十まで徹底的に極めていこうとする日本人の職人気質は、さまざまな物事の中に神や仏がやどると考えたり、亡くなった祖先を敬ったりと、見えない存在を尊ぶ文化的土壌と無関係とは思えない。

田畑を清浄にし、水をきれいにたもち、地下水を汚さない、そんな農業の一つである自然栽培にFAR EASTも挑戦する。

まずは開墾からスタートだ。開墾することにより、まさに「魂が土に宿る」と農家は言う。それほどに大変な仕事だが、大変だからこそ農家の汗と思いが積もるのだろう。われわれFAR EASTは、まず大麦とブドウの自然栽培をはじめる。大麦は土作りを兼ねて栽培し、ビールの醸造につなげる。最初に品種の選定からはじめていく。地域の方々ともに、このプロジェクトは世界を視野に始動していく。

埼玉県飯能市南高麗一体で、南高麗と飯能市の方々の多大な協力を得て、プロジェクトが進んでいる。飯能市の市を隆盛しようとする情熱はすばらしいものがある。飯能市は山林が多く、大面積の畑は少ない。茶ノ木を抜根したり、耕作放棄地を開墾する必要のある場所からもはじめることにした。もちろん畑として利用されていた場所もあるが、様々な場所で型をつくっていく。

畑は飯能市南高麗の複数の地主さんからお借りすることになった。農業委員会、農林課の方々に御配慮をいただき、地主さんの御理解をえてお借りできることを、心より感謝する。

いにしえに思いを馳せて、この目の前のタフな仕事を進めていく。

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お茶の木を抜根することに。お茶の木のあとは、肥料を多様することが多く、酸性が強い畑になることが多いというが、地主さんは肥料を使っていなかったのでその心配は少ない。小川が側をながれていて、土を掘るとすぐ石が上がってくる場所だ。施肥がされていたとしても、それなりに流れていてくれた場所だといえる。それよりも、茶ノ木の根っこを取り切れるわけではない。当面は、野菜を育てるのはむつかしい場所だといえる。田んぼは田んぼ、畑は畑、山は山といわれるが、生物環境や土壌の性質がまったく違ってくる。肥料を使わない自然栽培ではこの違いを無視することはできない。水辺の稲わらが、陸地に運ばれて土に返ることは自然界では起こりにくい。どうしても、無理が起きてくる。それでも、やると決めた場所では手を打っていく必要がある。時間をかけて試験的にも取り組んでいく。

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竹林の近くは竹の根が入ってきていて大変。その生命力はやはりすごい。

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FAR EASTとは震災のとき、東北にキャラバンで物資をともに運ぶときからのご縁の望月さん。土木業をされているので、飯能市岩清水に建設中のレストランの基礎工事も委託している。この開墾も一声で飛んできて下さり、抜根、さらには竹の根を溝を切って縁切りした。

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抜いたお茶の木は山になった。これはほんの一部。畑の土はまだ山に近い状態と想定されるが、まずは土作りをスタートさせることを優先。

農業委員会の会長、吉田さん自ら、トラクターで畑を耕してくださった。自分たちのトラクターが間に合わなかったので、耕耘を買って出てくださった!お人柄で、感謝に堪えない。

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最近購入されたトラクター。まだほとんど使っていないのに、処女航海がFAR EAST NATURAL FARMING になった。

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どんどん進む。畳みが草を押さえるのに敷かれていた後があり、朽ちた畳みの糸がトラクターの刃に絡まってしまった。

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きれいに耕していただいた。

4,5日たった畑。そしてこの畑に種を落としていく。

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