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お互い様 FAR EAST Inc. Blog

昨日の支援物資輸送は総勢23名が車8台に分乗していった。参加希望者が段々と増えてくる。美容室の主人はこの日店を閉めてスタッフ全員7名での参加。それに行列のできる饅頭屋、廃棄物処理業、魚屋の主人達が隣町から参加、運送会社の会長と専務、議員2名、アメリカ人記者やスェーデン人等々多彩な顔ぶれで各々個性の強い面々ではあるが、明確な目的のもとしっかりまとまるものだ。震災前はホタテやワカメ漁で隆盛を誇った南三陸の漁師達によってこの日、震災で亡くなった犠牲者を弔う法要が港や浜で一斉に行われた。妻子を亡くした者、家や船を失った者、或いはほとんどすべてを失った者など皆それぞれの想いのなか弔いに集まった。やがて法要が終わると物資配布所へと集まってくる。何度か同じ顔に会うにつれ、各々の事情がわかってきたりもする。いつも下ネタと冗談ばかりの漁師が実は妻子を亡くしていたりする。支援者が「どうぞ」と物資を勧めれば「いらねェ」と言う。つい悪気もなく「奥さんと子供にどうぞ」と物資を手渡せば即座に「死んだ」と返す。支援者のなかにははこうしたやり取りに心を痛めたりする者もいる。ここでは皆が何かを失い、絶望したり、不安であったりするなか必死で生きている。各々の事情を察してはいても障りのない言葉を選びきることなど難しい。案ずるよりも皆一心不乱に足りない物資を補給することに専念している。この支援物資輸送プロジェクトに初参加した者は一様にその活気に驚く。さながらバーゲン会場のようでいて、あのような醜態は見られず、秩序が保たれ、被災者達が嬉々として満足する様にである。あちらこちらで笑い声も響く。コンビニ店長はソフトクリームの機械を持ち込み作ってみせる。これには爺やも婆やも漁師もワラシも皆嬉々として美味そうに味わう。被災者からは「気が済まないから」と野菜や菊農家からは菊が手渡される。それらが大切なものであることを知りながら有難く頂くことにしている。お茶や郷土料理も振る舞われ、座卓を囲んで被災当時の話に聞き入る。73歳の漁師の顔役が「漁ができるようになったらいつかお返ししたい」「いつかあんた達が困ったら俺達が助けっからな」「こういう協力って、いいな」と何度も謂う。そう思う。感謝の気持ちなら誰に返したっていい。「困った時はお互い様」だ。

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