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OH MY GOD ! FAR EAST Inc. Blog

監獄印度辺りを彷徨っていると安宿に「尋ね人」の張り紙をよく目にする。貧乏旅行者が行方知れずになり、親が当てもなく探し回るという親不孝な話だ。印度の「尋ね人」については、帰ってくるつもりがないだけの場合もあるが、残念ながら既にこの世にいない場合や過酷を極める囚人生活を送っている場合が少なくない。一旦投獄されたらいつ出られるのか誰にもわからない。濡れ衣や冤罪などは当たり前だし、「お巡りさん」が「市民の味方」である場合はほとんどない。誰かの恨みを買って「ヘンな物」を掴まされ、妙に段取り良くパクられる場合は、この「お巡りさん」がグルのことが多い。20年以上も前の話だが、2等列車でようやく着いた印度の砂漠の最果ての町で、しつこい宿の客引きをいつものように無下に断ると、その客引きが腹いせに悪徳警官を連れてきて、その警官がやおらすり寄って来て、強引に握手をしてきた。気が付いたときには、佐々木君の掌には粗悪なアフガン製のハシシが納まっていたというよくある話だが、ニヤリと不気味な笑いを浮かべる警官に条件反射的に100ルピーばかりを握らせてその場を後にしたという別に珍しくもない出来事があった。一方、今も忘れないのは、印度南部の海沿いの有名スポットでジャンキーの「預け物」をたまたま受けて取ってしまい投獄されてしまった若者。そこがどんな場所かも知らずに観光気分で訪れてしまい、とんでもない目に遭うことになってしまった訳だが、捕まった時に間髪いれずに「袖の下」を握らせればそれで済んだはずのものを、そんな暗黙の掟を知るはずもなく、正義感から賄賂を拒んでブチ込まれてしまったというあってはならない不運な出来事。同情した連中でカンパを募って警察に贈賄を「正式」に申し入れたが頑なに受け入れられず、既に打つ手はなくなっていた。印度に限らずあまりに巡り合わせが悪かったというこの手の話は枚挙に暇がない。様々な局面で明暗を分けるのは、「生きる術」や「テクニック」、或いは必ずしも説明がつくような理由だけではなしに、謂ってみれば「生命力」のようなものである場合が多いと思うのは僕だけではないだろう。今もあの若者は絶望感に苛まれながら遠い日本を思い浮かべて自分の運命を呪っているのかもしれない。