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道案内お断り FAR EAST Inc. Blog

IMGP9967カイロからアレクサンドリアへ向かう道すがら一寸寄り道をするとワディナトルーンというコプト正教会の聖地がある。彼の地には4世紀頃にはコプト教の人達が移り住み修道院も一時は50を数えたと謂うが、今では僅かに4つが残るのみで、そのうちのひとつが聖ビショイ修道院。暗い回廊の奥から差し込む光が美しく何とも静かな佇まいだ。その頃日本は所謂「謎の4世紀」とされ中国の史書にも記されておらず、日本書紀でも空白の期間とされているのだが、さすがエジプト、この時代の寺院が残っているなどとはさすがに感心する。実はコプトの人達はローマ帝国、イスラム教支配の時代を通じて異端とされ、今もエジプトで謂われなき差別を受け、裁判でも公平に裁かれる立場にはない。先のインフル騒ぎの折にも養豚を稼業とするコプト教徒が標的にされ豚数万頭が殺処分された。さて、なんでもここワディナトルーンの修道院には地下から塩が湧き出て、古くから修道女たちの手により製塩が行われてきたのだという噂を耳にした。実は佐々木君、この手の話には血が騒ぐ。噂を頼りに地元の人に聞き込みを始めた。一人目のオジサンが得意満面に行く手を指し示す。喜び勇んで向かった先には何もなく、仕方なく二人目に訊くと今来た方角を指差し、訳知り顔で「あっちへ行きなさい」と謂う。それでもそこには何もなく三人目、四人目、五人目…と同じようなことが続く。お利口さんの佐々木君は随分後になってから彼らが「道をおしえられない人」だということにようやく気が付いた。そういえばカイロでもおしえてもらった道の先にお目当ての場所があったためしがない。結局「土地勘があるのに道をおしえられない人たち」に付き合った挙句に何も見つからなかったのは謂うまでもないが、その間夢を見させてもらったことにはやはり感謝しなければなるまい。その1年後に懲りもせずにまた探しに出かけて同じ目に合ったことはやはり謂うまでもないとして、この人たちが本当に古代エジプト文明を作ったのかなと思ってしまうのは僕だけではないと思います。