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上海摩天楼 FAR EAST Inc. Blog

上海南京東路万博を直前に控えた上海は湧きたつようにざわめいていた。いま地球上で最もエネルギーが集中している都市といえば言い過ぎだろうか。「無限のビジネスチャンスが潜む」「戦後復興の日本を彷彿とさせる」などこの街の隆盛ぶりを形容する言葉は枚挙に暇がなく、この10年で雨後のタケノコのように乱立した高層ビルや高層マンションはこの街の空を険しく形取り、雲が垂れこむ雨天には、まるで雲に突き刺さるようにそびえ立っている。万博開催を目前にしてようやく落ち着いた建築ラッシュによる塵灰も今度は壮絶な交通渋滞によって視界が霞むことになるのだろう。上海の交通マナーはアフリカやインドに比べれば存外に「お行儀」が良く、万博に向けて車だけではなしにこの1年で上海市内の全て(?)の建物が塗装或いは洗浄を施され、街の様子は一変したと聞く。虎視眈眈と世界での影響力の拡大を目論見、強引ともいえる牽引力で何が何でも体裁だけは整えるこの国の底力は行儀などという範疇では捉えきれず、決して侮れないことは上海を訪れた人なら異論はないだろう。威勢をふるうことに邁進するなか著作権侵害など彼らにとっては瑣末なことに過ぎないに違いなく、さらにチベット、ウイグル、台湾など民族、領土に纏わる問題についても黒煙を撒き散らしながら爆進している。「日本併合」などと不気味な言葉も聞こえてくる。「政冷経熱」などと呑気なことを言ってはいられない。彼らはアフリカでもビッシリと根を張っており、無政府状態のあのソマリアにだって中国人技術者が進出している。ある西アフリカの大使館員が「何故日本はこちらを向かない?日本が今頃言い始めたことなどとっくに中国がやってしまっているのに。」と言っていたのを思い出す。歴代の総理が「美しい国」「友愛」などと呟いている間に国際社会で日本がますます霞んできている。お行儀良いのは結構だが美しいのも優しいのもそれだけでは立ち行かなくなることもこの国の外交は学習しなければならない。

一昨日の夜、上海の南京東路で行儀の良い佐々木君が中国女子に押しのけられて30分待ったタクシーを横取りされた事件が両国の関係を暗示していることは誰も知らない…。