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ウガンダの唾 FAR EAST Inc. Blog

ゴリラ2月のドイツは夜明けが遅く、雲が低くどんよりと垂れ、どこか寂しく寒々しい。冬のヨーロッパはこの寂寥感がなかなか好きになれない。今回は見本市のAmbienteとBiofachが目的で夕方までは商談 、以降深夜までは街を徘徊。着いてすぐならその土地の料理を味わうのがやはり楽しい。いつものようにホテルにスーツケースを置くとすぐに出かけ、街をフラフラしながら様子のいい店を探す。けれどフランクフルトでもレストランの看板はドイツ語の場合が多いので何が書いてあるのかゼンゼン分からない。いい感じの店があったのでフラッと入って「そうだなぁ…取り敢えずビールとソーセージ」と言うと「残念。ここはギリシャ料理屋だよ」と即答。「あっそう…じゃギリシャの…なんかオススメを」と言うと「OK。いいのがあるよ」と言ったあとにドイツ語混じりの何だかよくわからない説明が続くので生返事で「じゃそれ」と言ってそれを楽しみに待つ。ビールを呑みながら15分程待っていたら思いがけずラムステーキのかなりデカイのが来てしまった。肉の塊はもう機内食で食傷気味だし、しかも僕の嫌いな半生状態のヤツだ。レアのステーキを出されるたびにライオンじゃあるまいしこんなもん食えるかと思うのだが注文したのは僕だし、焼き直してもらったところでどうせ食べないし、と思いながら適当に皿の上を荒らして手を付けた風にしてごちそうさまをして、2件目のフランクフルト名物のアップルワインで口直しをした。いつかフランスでもポトフを注文したつもりが生ガキとカニが氷の上にてんこ盛りになってきたことがある。このときも北海道生まれ魚介類嫌いの佐々木君はお手上げだった。度々こんなことはあるが、別におなかイッパイに美味しいものを食べたいというよりは異なる食文化に触れたいのが本心なのでそれほど残念ではないし、まぁ適当に話の種にすることにしている。

ニュルンベルクでは昼間の商談中ゴリラに似たウガンダのおじさんから飛んでくる唾を顔中に浴びたストレスから夜は酒場へ出向いていた。「ルワンダの涙」という映画はあまりに有名だが、「ウガンダの唾」っていうのは聞いたことがないし、あってはならない。一軒目に飛び込んだ店は予約なしで断られ、トボトボ歩いていると何ともイイ感じの店に出くわした。今はビアホールの体をなしているが、何でも昔は救済院であったという建物は川に架かる格好で石造りの趣豊かな佇まいだ。ザワークラウトにニュルンベルクソーセージにジャガイモ料理にやっぱりビール。満足度はキム・ヨナの滑りより遥かに上で帰りはほろ酔い加減で石畳の上を躓きながら歩くのが何ともいい気分だったが、それでも「ウガンダの唾」が降りかかってくる残像が頭から離れなれることはなかった。